変形性膝関節症と生活のアドバイス

変形性関節症は誰にでも起こる加齢現象であって、いわゆる病気ではありません。加齢とともに、関節軟骨の変性や、軟骨のすぐ下の骨の変形や硬化が起こりますが、これだけで症状がでるわけではありません。変形した関節は、負荷に対する許容限度が低くなるために、少し無理をすると負荷がこの限度を越えて関節炎を起こし、痛くなったり関節液が溜まったりするのです。したがって、変形性関節症による症状を無くすには、許容限度以上の負荷をかけないように心がけることが大切です。

 

日常生活動作のうち膝関節に負担のかかる動作は、正座、しゃがみ込み、階段昇降、跳躍などです。平地を歩くことは構いませんが、階段や坂道をわざわざ歩いたり、飛び跳ねるスポーツをすることは控えなければいけません。膝関節にかかる負担は大腿四頭筋(太ももの前にある筋肉)を強くすることで減らすことができます。このための運動としては、大腿四頭筋の筋力強化運動(足首に重りをつけ椅子に座って膝を伸ばし10秒間静止しておろす運動)やスクワットが有効です。どうしても、膝に負担のかかる運動をしたいときは、スポーツ用の膝サポーターを使用すると良いでしょう。体重の重い人は、減量することも大きな効果があります。

 

(福島県立医科大学 外傷学講座教授 松下 隆 先生)

 

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